フラットキッチンを採用したい時に考える事

特に建築雑誌を読まれている方やショールームに良く行かれる方に人気が高いのが対面式のキッチンで、中でもフルフラットのキッチンは格好もよく気になる方が多いようです。

フラットキッチンのメリットとデメリット

フラットタイプのキッチンの採用を検討する時に気にしておいたほうが良い事について、メリットとデメリットに分けて挙げてみます。

メリット

• 格好が良い。スタイリッシュ。
• 部屋が広く見える。開放感。
• 家族のいるほうを向いて調理できるので、家族と同じTVを見たり会話が楽しめる。

デメリット

• 小物があふれたり、シンクの中に洗い物があると生活感が丸出しです。
• キッチン上部の吊戸棚がなく収納スペースが少なくなりがち
• 匂いや汚れがダイニングやリビングまで広がり易い

キッチン廻りのモノ

昭和の頃には応接間や客間と呼ばれる部屋があり、お客様を生活感あふれるダイニングではなく客間にお通ししていました。最近は応接間を造らない家が多く、親しいお客様をリビングダイニングに通す事が一般的です。

お客様をリビングにお招きすると、オープンなキッチンは生活感満載のキッチン廻りが家族以外にも丸見えです。シンクの中まで良く見えますので、常に綺麗に片づけておかねばなりません。また、清潔感のあるカッコ良いキッチンにするには、キッチン廻りの小物もデザインへの気配りが必要になります。

現在キッチンの周りに置いているモノを思い出してください。特に出窓のある壁付けのキッチンを利用されている方は、出窓のカウンターに結構モノを置いているのではないでしょうか？調味料だけでなく鍋等の調理器具なども置いているでしょうし、分別ごみのトレーや牛乳パックなどを洗い終えて水切りしているかもしれません。調理器具、掃除道具、キッチンペーパーやラップ、調味料などなどキッチン廻りにはたくさんモノがあふれています。なのに、オープンなフラットキッチンでは”モノの置き場所”がかなり少なくなります。

”置く”　or　”収納する”

モノをキッチンカウンターの上に置くと作業スペースを狭めますし目障りです。調味料入れ等の小物を置きっ放しにするにも丸見えですから、デザインの良いグッズを使わないとせっかくのスタイリッシュさも台無しです。調味料入れ等は気に入ったデザインの物を購入して使うとして、洗剤などはどうしましょう？市販品をそのままでは、スタイリッシュなキッチンの雰囲気を損ねてしまいます。格好の良いボトルを購入して詰め替えた方が良さそうです。濡れたまな板はどこで乾かしましょうか？

出ているモノを減らすには収納しなければなりません。使うたびに取り出して、使い終わればすぐに仕舞う。フラットキッチンをカッコ良く綺麗に使うには、常に片づける習慣が無ければ維持するのは難しいような気がします。

広がりやすい匂いや汚れ

壁付けのキッチンは、たいてい二方向を壁に囲まれた部屋の隅にコンロがくるように置かれていました。匂いや汚れが広がりにくく、換気扇で匂いや蒸発した油を効率的に排出しやすい造りでした。

一方、四方が開放されているオープンタイプのキッチンは匂いも広がり易いのです。対処といっても、出る匂い等は換気扇でドンドン排出するしかありません。まだまだ高価ですがコンロのすぐ横で吸い取ってくれる換気扇が市販されています。こういう効率の良い換気扇を採用すれば多少は防ぐことができます。

匂い同様、油跳ねなどの汚れも四方に飛び散ります。キッチンと共に汚れも丸見えですので、こまめに掃除をしましょう。

使う人を選んでしまうかも

デメリットばかり書いてしまいましたが、このデメリットを全く気になれない方やデメリットにならない生活習慣をお持ちの方、デメリットを解消する手段を講じるという方には当然デメリットにはなりません。

オープンなフラットキッチンは調理器具などの小物までデザインにこだわり、小まめな片付けや掃除と共に料理を進め完成した時には綺麗なキッチンに料理だけが並んでいるという方向けのキッチンです。使う人の生活スタイルが重要です。そういう方には、開放感と清潔感にあふれたスタイリッシュで素晴らしいキッチンです。

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