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キッチンの基本レイアウト

公開日:2012.06.20

キッチンの主要なパーツは、食材を洗うシンク、切る調理台、加熱調理するコンロ、料理を盛り付ける配膳スペースです。これらのパーツを作業の流れに沿うようにコンパクトにレイアウトします。

このキッチンと、食材を保管庫する冷蔵庫、食器を収納する水屋・食器棚、コンロ以外の調理器具を置く家電収納、そして食事を行うテーブルを家事の流れに沿った短い動線になるようにレイアウトします。

I型キッチン

平面図:I型キッチン

シンクと作業スペース、コンロの3機能が横並びになったシンプルなキッチンです。様々なバリエーションの中で最もローコストに造りやすいキッチンです。

作業の流れは横一直線ですので、少しずつ横にずれながら調理を進めることになります。広い調理スペースを確保しようとシンクとコンロの間の作業スペースを過剰に広げると動線が長くなり過ぎてかえって使い勝手が悪くなります。パンやピザ、麺打ちなどで広い作業スペースが必要な場合は、別の場所に作業スペースを確保するほうが良いでしょう。

シンクとコンロの間の作業スペースは、食材を切る作業と調理済みの料理を皿に盛る作業を兼用する事が多く、調理作業を進めながらも適度な片づけが必要です。

作業台を持つI型キッチン

I型キッチンの背後に食器棚や家電収納ユニットを設けています。その横側に広めのカウンターを設けました。このカウンターは普段は料理を盛り付けるための配膳スペースとして利用しますが、そば打ちやパン作りなどの時に粉を打ったり練ったりする作業スペースとなります。

おせちのような料理を作る時にはこのような広めの配膳スペースがあると便利です。餅を丸めるための作業スペースにもなります。作業スペースの周囲を広くあけているので、家族が集まり大勢で楽しく作業ができます。


II型キッチン

平面図:II型キッチン

シンクや作業台の下ごしらえ部分と加熱部分(コンロ)が別のラインに並列に並ぶキッチンです。シンク側で下ごしらえをした食材を加熱するために通路部分を跨ぐことになります。その際食材を落とすとキッチンの床を汚してしまいます。カウンター(ワークトップ)が2か所に分割されるため若干コストアップします。

シンクとコンロの間が広すぎると調理がしにくくなります。部屋のボリュームや壁の位置関係によって圧迫感を与えない範囲でできるだけ狭く設定する方が使いやすいでしょう。振り返るだけで踏み出さなくても両面が使えるようにレイアウトします。

I型もL型も食材を切る作業と調理済みの料理を皿に盛り付ける作業は、シンクとコンロの間の作業スペースを兼用しますが、II型ではそれぞれ専用のスペースが確保できます。

また、シンクとコンロが別々なので、それぞれ作業しやすい高さにワークトップの高さを設定することができます。カウンタートップに段差のないフラットなキッチンではシンクが使いやすい高さに合わせるため、フライパンなどを利用する際に高くて使いにくいと感じている方も多いと思います。コンロが低め、シンクは高めの方が快適に作業が行えます。

L型キッチン

平面図:L型キッチン

シンクとコンロの距離が近く、ほとんど移動せず体の向きを変えるだけで効率良く家事が行いやすいレイアウトです。シンクで洗い物をしながらすぐ横のコンロにかけた煮物の火加減がチェックできるなど便利なキッチンです。

その一方、上部の吊戸棚を含めてコーナー部分の収納が活用しにくく無駄になりがちです。

カウンターをL字型に加工するために、I型と比べて割高です。

U型キッチン

平面図:U型キッチン

L型キッチンにさらに作業スペースを増やしたキッチンです。3辺のどの位置にシンクとコンロを設けるかで使い勝手がずいぶん違ってしまいます。作業効率をよく検討する必要があります。

ワークトップのスペースがさらに広くなり、ゆったりと作業をすることができます。兼用されがちな食材を切る作業スペースと調理済みの料理を皿に盛る配膳スペースをそれぞれ専用に確保できます。じっくりと調理をしたい方向けのキッチンです。

コーナー部分が2か所になってしまいます。上部の吊戸棚を含めてコーナー部分の収納スペースが活用しにくく無駄になりがちです。

カウンターの加工が多く、L型よりも更に割高です。

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