シックハウスと建築基準法
- シックハウス症候群の原因
- シックハウス症候群対策
- シックハウスの原因となる化学物質
- 濃度指針の示された化学物質
- 建材と化学物質
- シックハウスと建築基準法
平成15年7月1日より施行される建築基準法で、シックハウス対策が盛り込まれます。
主な内容は、居室(住宅以外も含みます)に関して
- 建築材料・建材の使用制限
- 換気設備の義務付け
です。
建築材料・建材の使用制限
規制対象となる化学物質(VOC)は、現在のところクロルホスピスとホルムアルデヒドです。
- クロルホスピスは原則使用禁止
- ホルムアルデヒドは建材からの発散量(JIS・JAS規格)に応じて面積制限
となっています。
ホルムアルデヒドが規制される建材は17種類で、合板、木質系フローリング、各種木質建材、壁紙、接着剤、保温材、断熱材などが含まれています。
これらの使用に際してJIS・JAS規格が見直され、F☆☆☆☆は無制限に利用できますが、F☆☆☆とF☆☆は使用面積が制限されます。F☆は使用できません。それら以外では、大臣認定のないものは利用できません。
室内の床・壁・天井の仕上げだけでなく、これらの建材を利用する、住宅設備(システムキッチンや洗面化粧台など)・建具・収納なども規制の対象です。これにより、大臣認定を取得していない輸入住宅設備や建具などは利用できません。
換気設備の義務付け
住宅などの居室に関しては、建材のホルムアルデヒド放散量に応じて0.5回/h以上の換気が義務付けられます。0.5回/h以上の換気とは、2時間で部屋の空気が全て入れ替わる量です。基本的には、法規を満たした機械換気設備(換気扇)を設置する必要があります。
その他
条件により居室や室内だけでなく、廊下や押入れなどの収納といった非居室、床下・天井裏・屋根裏なども規制対象となり、建材の使用制限・換気設備が義務付けられます。
シックハウス症候群対策が建築基準法に盛り込まれました。ただし、シックハウスを引きを越す恐れのある化学物質は上記2物質以外にもあります。また、化学物質に特に敏感な方ですと、基準値以下でもシックハウスにかかる恐れがあります。建築基準法を満たしていればシックハウスを完全に防げるというものではありませんので、設計担当者とよく話し合うことは必要です。